野出町の逸話

 昭和24年、野出町の神輿番になった時、南海本線を渡り、神輿を担ぎ、市場の義本さんの共和酒造へ行った。この年以降、神輿は南海本線を渡ることはなかった。警察が道路巡航の許可をくれなかった。

 この頃は、新町の太鼓台と衝突した。こちらの太鼓台の棒鼻を相手の棒鼻に乗せるのである。乗せられた太鼓台は重荷がかかって重くてへたった。その挙句、北川呉服店の屋根瓦をめくってぶつけ合いをした。その後、警察が太鼓台の接触を禁止した。

 佐野警察署長が佐野駅下りにあった警察駅前派出所の前に椅子を置いて、太鼓台を見張っていた。野出町の太鼓台を担いだ若い衆が、勢いで派出所へ押しかけた。見ていた警察署長は太鼓台を避けて、派出所に入った。警察はカンカンに怒って、「公務執行妨害」で、太鼓台責任者をジープに乗せて警察署へ連行した。

野出町太鼓台